経費になるもの・ならないもの【副業版チェックリスト】

副業サラリーマンが確定申告でまず迷うのは「どこまでが経費か」という点です。
結論はシンプルで、副業収入に直接必要かどうか。

ただし、自宅やスマホのように私用と兼用するものは「家事按分」が必要になります。
最初から根拠を残しておけば、後から不安になることはありません。

この記事はこんな方におすすめです:

  • 副業で初めて確定申告をするサラリーマン
  • 「これって経費になる?」と判断に迷う人
  • 国税庁の説明が難しく感じる人

この記事を読むと、経費になる/ならないの判断基準や家事按分の具体例、さらに副業別の経費ラインがわかります。
安心して堂々と申告できるようになり、副業を気持ちよく続けられるはずです。


経費になるか迷ったら?安全に判断する3つの基本ルール

業務との関連性を説明できるか

副業の収益につながる作業や準備、維持のための支出であることが大前提です。
「この費用は副業のために必要でした」と、第三者(税務署など)に落ち着いて説明できれば安心です。

家事按分の根拠があるか

自宅やスマホなど私用と兼用するものは「副業利用の割合」で分けて計算します。
面積や利用時間、通信量といった客観的な基準を残しておけば、後から不安になることはありません。

具体例

  • 家賃10万円・2LDK・6畳を副業専用に使用 → 全体の約25%と評価 → 月2万5千円を経費化
  • スマホ1万円・副業利用20% → 月2千円を経費化
  • 電気代1万円・副業時間が全体の25% → 2,500円を経費化

領収書・明細・メモをそろえる

  • 領収書やカード明細=金額の証拠
  • いつ・誰と・何のため=用途の証拠

この二つに簡単なメモを添えるだけで、税務署に堂々と説明できます。


副業経費チェックリスト|安心して申告できるOK・NG例

通信・IT関連

  • PC・周辺機器 → 副業で実際に使っていればOK。100%私用はNG。
  • スマホ通信費 → 取引連絡・調査分はOK。私用のみはNG。割合で按分すれば安心。
  • インターネット回線 → 在宅作業の実態があれば一部OK。家族全員の娯楽利用分は除外。
  • サブスク(オンラインサービス) → Canva・ChatGPT・ストレージなどはOK。娯楽系サブスクはNG。

学び・情報収集

  • 書籍・教材 → 仕事内容に直結すればOK。趣味・娯楽目的はNG。
  • 勉強会・交流会の参加費 → 副業に役立つ情報交換や人脈形成目的ならOK。単なる懇親会や趣味サークルはNG。
  • 図書館・資料館の有料利用料 → 調査・取材目的ならOK。娯楽的な利用はNG。

移動・交際費

  • 交通費 → 取材・打合せ・仕入れなど業務に直結する移動はOK。通勤や私用はNG。
  • 打合せの飲食代 → 取引先との打合せならOK。友人との飲み会はNG。相手・目的のメモを残せば安心。

私自身、最初は「友人との食事も仕事の話をしたから経費かな?」と迷いました。
けれど相手・目的をきちんとメモするようにしてから、「これは安心して経費にできる」「これは私用だからNG」と切り分けられるようになりました。

住居・光熱費

  • 光熱費 → 作業部屋・時間に応じて按分すればOK。全額計上はNG。
  • 家賃 → 作業スペース分のみ按分OK。生活全体はNG。

消耗品・備品

  • 消耗品(文具・梱包材など) → 業務使用分はOK。家庭の消耗品はNG。
  • 作業用の工具・小物 → せどりなら梱包テープ、撮影副業なら背景布など。副業実態に使えばOK。
  • 小型機器(マウス・USBメモリなど) → 耐用年数1年未満、または10万円未満なら消耗品扱いでOK。

副業タイプ別|安全に経費計上できるライン

1) ブログ運営 / ライター

  • 経費OK:サーバー代、ドメイン、取材の交通費、作業用PC、SEO関連の書籍、執筆ツール。
  • 経費NG:個人的な娯楽ストリーミング、趣味本、旅行費(記事化しても実態が伴わなければNG)。

2) せどり(物販)

  • 経費OK:仕入れ代、送料、梱包資材、価格調査ツール、仕入れ移動費。
  • 経費NG:自分用の買い物や、単なる私用ガジェット。

3) 動画配信・クリエイター

  • 経費OK:マイク・照明・カメラ、編集ソフト、撮影スタジオ代、サムネイル作成用ツール。
  • 経費NG:私的旅行の全費用(撮影を口実にするだけではNG)。

4) デザイン・受託制作

  • 経費OK:Adobeソフトやフォント代、素材購入、やり取りの通信費、打合せ時のカフェ代。
  • 経費NG:趣味用ゲーム課金、友人との雑談カフェ代。

5) 投資系コンテンツ販売 / オンライン講座

  • 経費OK:プラットフォーム手数料、配信用ツール、講座資料の印刷費、関連書籍。
  • 経費NG:自分の投資損失(商品原価ではない)、娯楽目的の旅行費。

経費申告でやりがちな失敗と安全な回避策

1. 家賃・光熱費を全額計上してしまう

→ 全額は認められにくい典型例です。
回避策:面積や作業時間で按分し、根拠を残しておけば安心です。

2. 友人との飲み会を「打合せ」と称する

→ 名刺交換や議事メモがなければ、業務関連性を説明できずリスクが高まります。
回避策:相手・目的・成果をメモして残す。証拠があれば安心して経費にできます。

3. 趣味の支出を“仕事に関係する”と言い張る

→ 実際に収益化とつながっていなければ認められません。
回避策:記事・作品・サービスに直接反映されるものだけを計上。そうすれば堂々と説明できます。


僕自身、最初にスマホ代を全額計上してしまい、後から「副業利用20%」で修正した経験があります。
修正できたとはいえ、やはり最初から根拠を示して20%で計上しておいた方が気持ちもラクでした。


家賃・光熱費をムリなく経費化する按分ルール

家賃や光熱費は副業に直結する部分だけを計上すれば安心です。
「全額を経費にする」のはリスクが高いため、按分の根拠をしっかり残すことが大切です。

按分の考え方

  • 面積基準:ワンルームでも「デスク周り+撮影スペース」など、副業利用の面積を算出。
  • 時間基準:1日の中で副業作業に使った時間の割合で補正。
  • ハイブリッド:面積と時間を組み合わせれば、より説得力のある数字に。

計算メモの例

面積:6畳(約9.9㎡) ÷ 40㎡ ≒ 25%

時間:平日3時間×5=15時間、休日5時間×2=10時間 → 週合計25時間
 └ 起きている時間を16h/日とすると、25 ÷ (16×7) ≒ 22%

採用:22〜25%(安全側なら22%)。

私自身、最初の年は光熱費を「全部経費」としてしまい、後から慌てて修正しました。
按分を25%に直してからは、安心して堂々と申告できています。

光熱費や通信費も実績を残すと安心

  • ルーター管理画面の利用量スクショ
  • モバイル回線のデータ使用量
  • クラウドバックアップの転送量

月1回スクショを残すだけで、安心して申告できる証拠になります。


税務署に安心して説明できる!経費証明の準備術

経費は「証拠をそろえておけば安心して申告できる」ものです。
難しい準備は不要で、シンプルな習慣を作るだけで十分です。

領収書・明細の管理

  • 領収書やカード明細を“月別封筒”にまとめる
  • 封筒に「2025-09 交通/飲食/通信」と書き、5行以内の用途メモを添える

これだけで、後から見直しても不安になりません。

デジタル保存の型

  • レシートを撮影 → PDF化
  • 「年-月_カテゴリ_金額_相手」のファイル名でクラウド保存
  • 紙も月末にまとめてA4封筒へ

デジタルと紙を併用しておけば、調査が来ても堂々と見せられます。

会計ソフトの活用

初心者ほど自動化で安心できます。

  • 銀行・カード連携で明細を自動取得
  • レシート読取で仕訳候補を自動作成
  • 按分ルールを登録すれば、毎月の分割計算も自動化

freee / マネーフォワード / 弥生、どれでもOKです。
迷ったら「自動化しやすさ」で選ぶと安心です。

詳しくはこちら →青色申告と白色申告の違いを徹底解説|サラリーマン副業におすすめは?

確定申告までの流れを安全にシンプル整理

確定申告は、流れを理解しておけば不安なく進められます。
複雑に見えても、やることはシンプルです。

基本の流れ

  1. 支出の保存(領収書・明細・メモをまとめる)
  2. 仕訳(会計ソフトやエクセルで分ける)
  3. 月次チェック(漏れや按分の確認)
  4. 年次集計(1年分をまとめる)
  5. 申告提出(e-Tax送信 or 税務署窓口)

ポイント

  • 迷いが出やすいのは「仕訳」と「按分」ですが、最初から会計ソフトで自動化すれば安心。
  • 途中で間違えても、修正は可能。落ち着いて対応すれば問題ありません。

Q&A|副業経費のよくある疑問を安心解決

Q1. 副業が赤字でも経費は申告すべき?

→ はい。赤字は翌年以降の所得と相殺できる可能性があります。制度の適用は状況によりますが、記録を残しておけば安心です。

あわせて読みたい:副業の確定申告は必要?『20万円ルール』を完全解説

Q2. アルバイト代にも経費は引ける?

→ 雇用契約で給与を受け取る「バイト」は事業ではないため、通常は経費を引けません。業務委託契約なら別ですが、迷ったら税務署や公式解説で確認すると安心です。

Q3. ふるさと納税・iDeCoは経費?

→ これは「経費」ではなく「所得控除」です。節税効果はありますが、必要経費の欄には入れない方が安全です。

Q4. 服や化粧品は経費?

→ 一般的なスーツや日常使いは原則NGです。ただし舞台衣装や撮影専用の服など、業務専用性が高ければ認められる余地があります。迷ったら「副業にしか使わないか」で判断すると安心です。

Q5. 家族名義の回線でも計上できる?

→ あなたが実際に副業で使い、費用を負担しているなら按分計上できます。支払明細や口座の記録を残しておけば安心です。


まとめ:堂々と説明できる経費申告が副業をラクにする

経費の核になるのは、
「副業に必要かどうか」+「第三者に説明できるかどうか」 です。

兼用の支出は家事按分で妥当な割合を出し、根拠を残しておけば安心です。
領収書・用途メモ・会計ソフトの三点セットを習慣にすれば、確定申告は一気にラクになります。

迷ったときは「グレーゾーンに突っ込む」よりも、
堂々と説明できる範囲で申告する方が長い目で見て安心です。

➡ 個人的には、経費は“攻めすぎない”方がいいと思っています。余計な不安を抱えるくらいなら、堂々と説明できる範囲に絞るほうが気持ちよく副業を続けられます。

免責事項(安心して読むために)

本記事は筆者の体験と一般的な情報をまとめたものです。
税務処理は人によって状況が異なるため、最終判断は国税庁の公式情報や税理士に確認すると安心です。


公式リンク

次に読む関連記事

タイトルとURLをコピーしました